「とこしえ_る」

母親が家の中で子どもの服を縫うさまは、祈りや願いをこめているように見える。
子どもの幸せや喜ぶことを願い、作った物は、その子ども専用のお守りのようだ。

日本にはかつて嫁ぐ娘に「花布巾」を持たせる文化があった。
母親が娘の幸せを願い、嫁ぐ際に手渡した布巾は、娘によって日常の中で使用される。
その娘もまた母になった時に、自分の娘に「花布巾」を縫う。
細かく縫い込まれた「花布巾」も、その娘専用のお守りのようだ。

家の中には家族がいて、想いが縫い込まれた ものがたくさんある。
家はまるで「おこもり」のように、願い祈る場所のようだ。

何が起こるか分からない日常は、何度も「−」な方向に転換し、私たちを不安にさせ、時には暴力的にする。
恣意的な考えによって他者を攻撃するよりも、想いを指先から針に伝えて縫い込む方が、
「+」かつ強い力を発動すると私は思う。

母親から子どもへ、といったような絶対的な想いは漠然と強く美しい。
何世代も前からずっと、その想いは揺るがずに続き、それは今後も永久に続いていく。
あまりにも無意識で、あまりにも神々しい想いの一部に、私はなりたい。